乳幼児期によくある出血と手当て
- 監修 :九州大学病院 小児科 助教 石村匡崇 先生
緊急性の高い出血に対する手当て
特に緊急性が高いと考えられるのは、頭の中や消化管の出血です。速やかに止血しないと命にかかわったり、深刻な後遺症をもたらすことがあります。次のような症状があるときは、早めの受診をおすすめします。家庭注射ができる場合は、まず製剤を注射してから病院に行きましょう。
緊急性が高くすぐに受診(相談)する必要がある出血とその兆候
- 頭蓋内出血(頭を打ったとき)
頭を打った直後〜数時間、数日のうちに、頭痛や吐き気、ぐったりする、顔色が悪い、けいれんなどの症状が見られます。
赤ちゃんの場合は、発熱、元気がない、機嫌が悪いなどの症状に注意してください。 - 明らかに頭を打っていなくても、高いところから転落したとき
- 消化管出血(吐血、血便)
吐血、大量の血便や黒色便が主な症状です。吐血のときは胃や食道から、血便のときは腸からの出血が考えられます。消化管からの出血は健康な子どもでも緊急性がありますが、血友病の場合はより症状が重くなることもあります。 - 目の周りの出血
- 口の奥や首の周り、顔面の皮下出血で、呼吸を妨げる様子があるとき
- 重症の関節内出血・筋肉内出血(1回の凝固因子製剤注射で症状が改善しないとき)
- 大きなケガ(1回の凝固因子製剤注射で血が止まらないとき)
は特に緊急性が高く、救急外来を受診するときも参照。