こんなときどうする?-学生編-
- 監修: 東京医科大学病院 臨床検査医学科 助教 備後 真登 先生 助教 近澤 悠志 先生
将来について考えるとき
仕事について
血友病の治療法が進歩した現在、「血友病だからこの仕事は無理」という制約はほとんどありません。実際に血友病の患者さんも、事務系やコンピューター関係をはじめ、教師、医師、弁護士、介護士、歯科技工士、カウンセラー、営業職、サービス業、農業、電気工事業など、さまざまな職種に就いて活躍されています。また、水泳や自転車などのスポーツ選手としてがんばっている人もいます。肉体労働や立ち仕事など、体への負担が大きい仕事を続けることが難しい場合もありますが、まずは自分の夢や希望を大切にして、やりたい仕事を考えてみてください。
恋愛・結婚について
すてきな出会いや恋愛を経て、結婚される方が大勢います。血友病に向き合いながらいろいろなことにチャレンジを続けていることは、きみの人間的な魅力につながっているはずです。恋愛にも自信を持ってください。
結婚するなら病気のことを話さないわけにはいきませんが、恋愛中であれば話すかどうかは自分で判断してよいでしょう。付き合い始めてすぐに打ち明ける人もいれば、3年経ってようやく伝える人もいるなど、打ち明ける時期は人それぞれですが、案外すんなりと受け入れてもらえることが多いようです。「血友病が原因でフラれるよりも、血友病とは関係なく失恋するほうがつらい」という話も耳にします。
打ち明ける場合は、血友病がどんな病気なのか、どのように治療しているか、凝固因子製剤を上手に使えば健康な人とほぼ同じ生活ができることなどを、わかりやすく説明してあげましょう。
パートナーや婚約者に血友病についてうまく説明できないときは、定期検診の際に一緒に病院に来てもらい、主治医から説明してもらうこともできますので、相談してみるとよいでしょう。
一人で悩まないで
もし、将来のことを不安に思い、悩んだり落ち込んだりしたら、ご家族や主治医、看護師など、周囲の大人を頼ってみてください。小さな頃からきみを見守っていて、きみのことをよくわかってくれていますから、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
病院によっては、カウンセラーなど、心理面でのサポートをしてくれるスタッフもいます。病院に問い合わせて、必要なときには話を聞いてもらいましょう。
PICK UP
患者会という交流の場もあります
血友病の患者会は日本各地にあり、患者さんやご家族は誰でも入会できます。
患者会は、患者さんがより安心して毎日を送れることを大きな目標に掲げ、医師や看護師などの医療スタッフと連携して病気に対する知識や日常生活に役立つ情報を提供しています。
また、同じ病気を持つ人同士が、同じ立場で安心して話し合える場を提供することも、患者会の目的のひとつです。患者会には大人だけでなく、10代の患者さんも参加しています。患者会が主催するサマーキャンプや勉強会などに参加して、同年代の仲間と悩みを相談し合ったり、大学生など少し年上の先輩に体験談を聞いたりすると、よい刺激をもらえるかもしれませんね。