患者さん・ご家族へ
小さな血友病の子どもさんを持つご家族へ
7.医療費助成制度と諸手当について
工事中
[Q&A]
生後9ヵ月で血友病がわかりました。その時には乳幼児医療費助成制度で病院にかかっていました。転勤になり、病院を変わったところ、血友病の治療のために他の医療費助成制度の手続きを取るようにいわれました。子どもは現在2歳3ヵ月です。乳幼児医療費助成制度で血友病の治療を受けるのと血友病の医療費助成制度ではどのように違うのですか? また、すぐに手続きをする必要があるのでしょうか?
「乳幼児医療費助成制度」は都道府県(および政令指定都市)の事業で、全国的には概ね 3歳になるまでの乳幼児の医療費を助成する制度です。血友病はもちろん、他の傷病についても3歳になるまでの子どもさんの医療費(保険診療分)が無料になります。ただし、初診料や往診料、入院した場合の食事代は対象になりません。一方、「小児慢性特定疾患治療研究事業」は国の事業です。血友病に関する医療費が入院時食事代も含めて、20歳まで無料になります。どちらの制度を利用しても治療内容に差はありませんが、対象年齢や入院時食事代のことを考えると、安心して血友病の治療を受けるためにはできるだけ早く「小児慢性特定疾患治療研究事業」の手続きを済ませることをお勧めします。
血友病Aの子どもがいます。乳幼児医療費助成制度が切れていることに気づかず、大きな病院に受診する際に気づきました。乳幼児医療費助成制度の期限切れと血友病の高額療養費制度などの手続きをしていなかった時期の重なるところでの医療費は自己負担しなくてはならないですか?
A1の解説にあるように乳幼児医療費助成制度は年齢制限があり、「期限が切れていた!!」ということが起こりがちです。まずは本サイトを参考に 小児慢性特定疾患治療研究事業の手続きをしましょう。 制度の利用は手続き以降を対象とするので、原則的には自己負担です。医療費の自己負担については高額療養費の対象になります。 高額療養費の解説を参考に、加入している医療保険の窓口(表7)にご相談下さい。
表7 医療保険の手続きの窓口
医療保険 | 被保険者 | 保険者 | 窓 口 |
---|---|---|---|
政府管掌健康保険 | 主として中小企業のサラリーマン | 国 | 社会保険事務所 |
組合管掌健康保険 | 主として大企業のサラリーマン | 健康保険組合 | 各健康保険組合 |
船員保険 | 船 員 | 国 | 社会保険事務所※ |
共済保険 | 国家公務員地方公務員など | 共済組合 | 各共済組合 |
国民健康保険 | 農業者自営業者など | 市区町村 | 市区町村役場 |
組 合 | 各組合事務所 |
- ※船員保険の場合、手続きの窓口が県庁になっているところもあります
一年に一度、県外の大きな病院に診察に行くことになりました。現在の医療保険や血友病の高額療養費制度はそのまま使えるでしょうか?
医療保険は全国どこの病院でも利用できます。特定疾病療養受療証(血友病の高額療養費制度)は、医療保険とセットの制度なのでそのまま使えます。ただし、小児慢性特定疾患治療研究事業は、医療機関と都道府県知事とで契約をして利用する制度なので、医療機関を変更したり、追加する場合には、その都度手続きが必要です。 県外の病院への受診も認定されるケースがほとんどですが、小児慢性特定疾患治療研究事業は都道府県および政令指定都市によって実施要網が定められているので全国統一ではありません。年に一回の定期受診が決まっているのであれば、小児慢性特定疾患治療研究事業の給付を受けるための医療機関の追加手続きについて保護者の住所地の保健所でご相談下さい。
現在受診中の病院から別の病院へ転院することになりました。これまでと同様の医療費免除を受けるためにはどのような手続きが必要ですか? また、転院先の病院は血友病患者は初めてということですので手続きのことで不安です。
A3で解説したように、特定疾病療養受療証については医療保険に変更がない限り転院してもそのまま利用できます。小児慢性特定疾患治療研究事業は、医療機関と都道府県知事とで契約をして利用する制度なので、医療機関を変更した場合はその都度手続きが必要です。転院先の病院が手続きに不慣れなようでしたら保健所に問い合わせてもらいましょう。
小児慢性特定疾患治療研究事業の医療証は一人でいくつもの病院で使えるのでしょうか。また、どの病院も初診から使えますか?
A3で解説したように、小児慢性特定疾患治療研究事業については、都道府県および政令指定都市によって実施要綱が定められているため、住所地によって医療証の名称や交付方法などが異なります。制度の給付は医療証に記載された病院での治療を対象にしているので、新たに別の病院を受診する際には保護者の住所地の保健所で追加の手続きが必要です。受診できる病院の数に制限があるのかについても保健所にたずねて下さい。なお、小児慢性特定疾患治療研究事業の給付の開始日は原則として保健所に申請書類を提出した日からになります。