患者さん・ご家族へ
小さな血友病の子どもさんを持つご家族へ
1.血友病とその治療
(2)血友病の原因
血液凝固因子の中で、遺伝子の異常があって第VIII因子を必要なだけ作ることができない病気が血友病A、第IX因子を必要なだけ作ることができない病気が血友病Bです。後天性血友病といって、生まれた後に何らかの原因で第VIII(IX)因子が減ってしまう病気もありますが、後天性血友病は特に小児では非常にまれな病気です。
血友病は、第VIII(IX)因子がどれくらい少ないかによって後に述べるように症状の重さに大きな差があるので正常人の血液中の因子量を100%とした時に、1%以下(つまり1/100以下)の患者さんを重症型、1~5%を中等症型、5%を超えている場合は軽症型に分類しています。なお、血液凝固反応には図2に示したように第VIII(IX)因子以外にもたくさんのリレー走者が登場するわけですが、このうち、第III因子(組織因子)と第IV因子(カルシウム)以外の欠乏症の患者さんもおられて、血友病類縁疾患と呼ばれています。
図2 血液凝固のしくみ
