節目のケアシリーズ

《こんな時、どうしたらいい?》学童期編

自己注射の開始時期

Q

小学生の血友病の子どもの母親です。今は私が家庭輸注をしていますが、早く自分で注射できるようになって欲しいと思います。本人が自分で注射できるようになるのはいつごろでしょうか?

A

原則として、本人が行なう場合は中学生以上とされています。このころが精神的にもまた、病気を理解する面においても適切でしょう。そして、本人が自己注射を望んでいること、本人が注射するとき血管確保が容易であること、テクニックを習得するために一定期間病院でトレーニングを受けるための時間を確保できること、医師やナースの指導することを理解、実行できることなどが条件としてあげられます。施設によっては、小学4~5年生ぐらいの子どもさん数人でのグループレッスンを取り入れているところもあり、子ども同士のコミュニケーションや病気とうまくつきあってゆく環境作りにも配慮しているようです。同年代の子どもたちが理科実験の雰囲気で楽しそうにワイワイやっているようです。

 

本人が希望する場合、他の条件が整えば自己注射を早期に導入することをお薦めします。予防投与や、親がすぐに注射することができない場合の止血などがより効果的にできるようになり、学校や社会での活動範囲がさらに広がるでしょう。何より、自分のこととしてきちんと管理する習慣付けにもつながり、このことは自立を促すために大切なことだと思います。

 

近い将来に予定されていること(例えば修学旅行や、寮生活、親の長期不在など)で習う必要がある場合、またはそのようなきっかけを利用する場合は早めに計画を立てておきましょう。習得したあと慣れる期間も必要ですし、余裕を持って主治医やナースに相談しておくと、教える医師やナースが、時間やスタッフの確保をスムーズにできると思います。

自己注射の開始時期