血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

ECHO身近な相談室

旅行をするときに気をつけること

イラスト

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 小児科 山下 敦己


公共交通機関を使って、初めて家族旅行に行きます。どのようなことに注意をしたらよいでしょうか?(2歳血友病A患者の母親)

出発するときの注意点

凝固因子製剤の用意

旅行先での予想外の出血にも対応できるように少し多めに凝固因子製剤を用意しましょう。旅行先で病院を受診したとしても同じ薬剤があるとは限りませんので、家庭注射がまだできないお子さんの場合でも凝固因子製剤を持参しましょう。定期補充療法を行っている患者さんでは、定期補充の分だけでなく、出血したときの分を追加して出かけましょう。

凝固因子製剤は機内持ち込みがおすすめ

飛行機を利用する場合、凝固因子製剤を投与するための注射針の機内持ち込みは、国土交通省により認められています。また日本の主要な航空会社では凝固因子製剤の持ち込みも特に制限されていません。ただし、一人あたりの最大容量には上限があるようなので、長期滞在などで大量に持ち込む場合は事前の確認が必要です。

また、海外の航空会社や空港では、医薬品や注射針の持ち込みの制限が日本と異なる可能性がありますので、これも事前に確認しましょう。空港の保安検査をスムーズに通過するため、処方箋や主治医の証明書などを用意しておくとよいです。事前に航空会社へ伝えておくとさらに安心です。

患者カードの用意

病名、インヒビターの有無、使用薬剤などが記載された患者カードを携帯すると、他者に自分の病気を伝える際に役立ちます。空港の保安検査員に病名を伝える際にも役立ちます。

旅行先での注意点

保冷バッグ

凝固因子製剤は30℃以下の室温で保管することが可能です。しかし旅行先や移動中に製剤の温度が30℃以上に上がってしまう可能性がある場合は、保冷バッグを用意しておきましょう。

緊急時の対処方法

出血時に使用する凝固因子製剤の種類、投与量を確認しておきましょう。不明な場合は必ず旅行前に主治医の先生に相談しましょう。

旅行先で受診可能な血友病診療施設

緊急時に現地で受診できる血友病診療施設を調べておきましょう。出発前に主治医の先生に相談し、可能であれば紹介状を作成してもらうと安心です。海外に行く場合は、世界血友病連盟(WFH)のホームページ(https://www.wfh.org/en/page.aspx?pid=1264)から、旅行先の血友病診療施設が検索できます。

旅行から戻ってからの注意点

凝固因子製剤に破損がないか確かめましょう

旅行中、凝固因子製剤の入ったバッグを落としたり、激しくぶつけたりしませんでしたか? 旅行中に使用しなかった凝固因子製剤を帰宅後に使用する際には、念のため製剤の破損がないかチェックをしてから使用しましょう。

以上、旅行に行く際の注意点をリストアップしました。旅行中のトラブルに適切に対応するためには、事前準備が何よりも大切です。しっかりと準備をして初めての家族旅行を思いっきり楽しんでください。

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