血友病患者さんとご家族のための情報誌「ECHO」

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ウィークポイントはチャームポイント!かっこいい血友病患者になろう(2)

かっこいい患者でありたい

私は、「かっこよくありたい」という気持ちが常にあります。小学生の頃から「自己注射は特別感があってかっこいい」と思っていましたので、人前で注射をすることにまったく抵抗はありません。このかっこよさの考え方は、年齢とともに少し変わってきました。例えば最近では、ビジネス上で「病気だから」と気を使ってもらうことが何回も続くと、ちょっとかっこ悪いと感じます。会社員なら、重要な打ち合わせがある前の晩は泥酔しないようにするのと同じで、大事なときには出血しないよう、予防的に注射をし、出血しそうな運動は避ける。初めての場所に行くときは、坂道や階段の有無など地図だけではわからない情報をGoogleのストリートビューで確認し、きつそうであれば製剤を追加で注射する。これが自己管理のできるかっこいい、スマートな患者だと考えるようになりました。今後も、いかにかっこよく振る舞える血友病患者でいられるかが課題です。

血友病を嫌いにならず、個性として受け止めて

私は29歳で結婚したのですが、その際、血友病が障害になった記憶はありません。相手にいつ打ち明けるか悩んでいる方もいると思いますが、隠してもメリットは何もないと思います。いつか話さなければならない。だったら恋愛初期の、盛り上がっている時期にさらりと話すのが一番ではないでしょうか。今、血友病治療はとても進歩しており、血友病患者のQOLも改善されてきています。血友病であることに対して、不安に思う必要はないと思います。


注射後の血中濃度を予想するスマートフォンのアプリ

血友病を個性のひとつとして受け止め、過剰に反応することなく、かといって目をそらすこともなく、あるがままに楽しく生きられればいいですね。病気というウィークポイントを、チャームポイントと考えて、それを活かすほうに目を向ける。私は実際に、自分の経験を活かして、注射後の血中濃度を予想するスマートフォンのアプリを作成しました。血友病だからわかることや、血友病だからできることが、世の中にはたくさんあるはずです。そして、できないことがあるときには周囲の力を借りればいいと思います。できないことを頼むのは恥ずかしいことではありません。困ったときはひとりで抱え込まずに「助けて」と気軽に頼むことができれば、すごく気持ちが楽になると思います。

情報のないところ、人の話題にならないところに最先端が

今、ゲーム開発は子どもたちの憧れの仕事のひとつだそうです。ただ、もしゲーム開発に興味がある中高生がいたら、みんながやっているから、というだけでゲームに憧れていないか、もう1度問い直してもよいかもしれません。自分は何に興味があるのかを、よく考えてみる。私たちの時代は、ゲームは未知の部分がたくさんあり、とてもかっこいいものでした。今、その感覚に近いような、時代の先端でワクワクする新しいものを作りたいのなら、情報が少ないもの、みんなが知らないもの、まだ成熟していないもので、自分が「面白そう」とか「かっこいい」と思えるものを探し出して、その最先端の情報を得る工夫をしてみるとよいと思います。

私は今後も、「あ、こんなことができるんだ」といわれるような、新しいものを作っていきたいです。例えば、3Dプリンタを使って、自分の指の形に合わせた簡易ギプスなどは簡単に作れるはずです。血友病である開発者として、それを活かして何かを作れたら面白いかなと思います。また、現在お仕事でテレビコマーシャルフィルムの曲やゲームの効果音などをシンセサイザーで作っていますが、私はディズニーランドが大好きなので、いつかディズニーランドのショーの曲を書きたいという夢も持っています。


※最適な治療法や製剤輸注量・輸注回数は、患者さんごとに異なります。ご自身の治療については、主治医と十分にご相談ください。

お役立ち情報

  • 血友病輸注記録アプリFactorTrack
  • 血友病関節ビジュアライザー
  • 血友病患者さんのための情報誌「エコー」
  • かた丸くん忍法ナビ
  • ECHOミュージアム