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学校の先生方へ

血友病の子どもたちを担当される先生方へ

学校生活

学校生活

それぞれの連携による信頼関係

学校への受け入れ

いろいろな問題も校長、学年主任、担任、養護教諭、体育教師、教育委員会、行政と保護者、主治医、校医がよく相談すれば解決できることが多くあります。心配な場合はよく話し合うことが重要です。血友病を診療したことのある医師は大変少なく、大学病院でも経験が少ないので、一般の校医も経験は少ないのが実情です。遠慮せずに主治医や専門医と相談していくことが必要です。保護者ともよく話し合って相互理解と信頼関係ができていれば、出血時の責任論などは問題になりません。


授業

学校の授業や幼稚園での活動には原則として制限はありません。可能な限り積極的に参加させてください。ただし、出血を生じている場合は安静が必要ですので、教室の移動時などにできるだけ配慮してあげてください。


保護者の願い

血友病の子どもの保護者の多くは、出血の危険性を承知の上で、わが子を血友病でない子と同じように扱ってほしいと願っています。体育や移動教室などの学校行事も、可能な限りチャレンジさせたいと思っていらっしゃる方が大半です。万が一、事故があった場合の処置・対策を十分に想定して、適切な配慮がなされていれば、深刻な事態になることもないと思います。事前に保護者と学校と病院でよく話し合う時間をとり、コミュニケーションを十分取りあって信頼関係を構築すれば解決できると思います。

周囲の子どもたちにも病気を伝えて注意を促した方が良いのでしょうか?

常時、先生が見ているわけにはいきませんし、授業中よりも掃除や休み時間に事故が発生しがちなのは、先生方がよくご存じの通りです。欠席や体育の見学時のことも考えると、周囲の子どもたちが知っていた方が、血友病の子どもにとっても理想的ではあります。また、高校生ぐらいになると、周囲の人に話したことで、支援をしてくれて大変に助かっている例もあります。しかし、調査によると、理解が不十分なためにいじめにあった、あるいは差別された体験を持つ患者さんも多くおられました。特に年少者では、遠慮や配慮が足りないこともあり、伝えることには慎重になってほしいと思います。一律に周囲の子どもたちに伝えるのではなく、基本的に患者さんの状態と気持ちを尊重し、周囲の子どもたちの年齢や理解力を加味して、個別に考える必要があるでしょう。

本人や保護者が血友病を知られたくないと言った場合、同級生に何か良い説明の仕方がありますか?

同級生に対しては、例えば単に「足が悪い」「体が弱い」といった簡単な説明ですんでしまうことが多いようです。もう少し加えても「関節を痛めていて足が悪い」「関節が弱くて病院に通っている」「ケガが治りにくい体質」「血が止まりにくい体質」といった程度でしょう。実際問題としては、子どもを通して様子を知った、ほかの保護者への対応の方が難しいかもしれません。あざがなかなか消えないために、家庭で過剰な体罰を加えていると誤解された例もありました。このあたりを学校の先生がわざわざ説明しようとすると、かえって支障が出る場合があるので、保護者の方とも相談して考えてみてください。

他に子どもが不安に思うことはありますか?

小さいうちは病気のことがよくわからず、無茶をしてしまいますが、大きくなるにつれて自重できるようになります。しかし、その分、悩みも深くなります。「みんなと同じにしてほしい。でも出血時には配慮もしてほしい」といった具合です。加えて、先生、保護者や病院に迷惑をかけることを申しわけなく思って、不調を言い出せなくなる子どもは少なくありません。また、先生に知識がなく、誤解されたり、悪く思われてしまうのではないかという不安を持つ子どもも時にはいます。全般に思春期では人並みにできないひけ目を感じ、また同級生に知られ、差別されることを恐れる気持ちも強くなります。

心身の発達は遅れがちになるのでしょうか?

以前は薬がないために家に閉じこもりがちとなり、体力的にも劣り、社会性の発達も遅れがちとなりました。しかし、現在ではそうしたことはありません。あるとすれば周囲が保護的になりすぎて、心理的な自立が遅れる事例でしょう。

性格面や心理面で何か特徴がありますか?

幼児期に保護者の言いつけをきかないで出血してしまい、痛い思いをした子どもが多いことから「おとなしくて良い子」が多く、同時に母親がどうしても干渉しがちになるので、依存的な甘えん坊といった側面も特徴的です。自発的に行動しない、消極的な子どもとみられる例が多いようです。もっとも、出血がほとんどない軽症の場合は、逆に保護者も本人も病気のことを無視したいという気持ちから無茶をしがちで、教室でも目立って元気で腕白になるお子さんもいます。普段は積極的でいいのですが、時として大きな出血を起こしてしまうことがありますので、注意は欠かせません。

子どもが消極的になりがちなのですが、どこまで促して良いのでしょうか?

血が止まりにくいと聞いて動揺したのは先生ばかりではありません。どの保護者でも最初に知ったときはとても動揺し、心配からいろいろなことを禁止してしまいがちです。消極的になりやすいのはこうした背景があると理解してください。しかし多くの場合、保護者の方が思っているよりも、子どもが実際にやれる範囲は広いのです。それは子どもを集団の中で見ている先生方が一番よくご存知だと思います。また、血友病でない子どもの中にも消極的な子もいるでしょう。基本的には、そうした子どもをご指導なさる場合と何ら変わるところはないとお考えいただいてかまいません。最近は定期補充療法により、自信を持って積極的になる子が増えています。

就職指導上、注意することはありますか?

血友病があっても、あらゆる職業に就いています。一概にこの職業は無理といったことはいえません。むしろ先生方が学校での生活を見て、子どもの適性とこの程度の出血であれば大丈夫だろうといった判断を下されることを望みます。実際に学校生活でほとんど欠席がないようであれば、どのような職業に就いても問題ないでしょうし、配慮しても頻回に出血するようであれば、身体に負担の大きな仕事は続かないと思います。