
血友病は男の子だけが発病する伴性劣性遺伝の病気です。しかし、実際には25%前後の方が家族歴が不明の突然変異と言われています。また、ごくわずかですが女性の血友病もいます。血友病の男の子が将来子どもを持つ場合、男の子が生まれれば100%血友病でない子です。女の子は血友病保因者ですが症状は出ません。つまり、血友病の患者の子どもは血友病の症状の子はなく、女の子を通して孫の代に出てくる可能性があります。遺伝性疾患に関しては、母親の苦悩や、親戚や近所などに知らせたくない心情を理解してあげてください。
よく血友病の子どもさんの特徴を聞かれることがありますが、治療法が改善された現在、すべての方に当てはまるような特徴はなくなったといえるでしょう。昔は薬が無いために家に閉じこもりがちになり、体力的にも劣り、その結果、社会性の発達も遅れがちになったこともありました。しかし、今ではほとんどの運動をみんなといっしょにやり、さまざまな夢を持って進学・就職していくその姿に、他と変わるところはありません。
とは言うものの、遺伝性の部分が大きいことから母親が罪悪感を多かれ少なかれ持ってしまうことが多いようで、そのために子どもを過度に保護してしまって成人近くになっても子ども扱いをし、子どもの方も出血時の問題からいつまでも親に依存的になってしまう例、反対に「あなたは普通の子と同じ」と言いながら、病気のハンディキャップを乗り越えさせようと過度に頑張らせ、子どもも無理してしまう例なども時として見られます。同じで良いのです。学校でも過保護にならないように扱ってあげてください。
ちょっと気をつけていただきたいのは患者さんの兄弟姉妹です。その子どもたちが健常であった場合、保護者の注意がどうしても患者さんの方に偏ってしまいがちなので、その子どもたちが無理をして「良い子」になっていることがあります。こうした例では家では「良い子」を演じつつも、満たされない気持ちを学校で発散しようと、振る舞いが派手になったり、先生に甘えたりすることがあるかもしれません。体の変調を訴えることも考えられます。先生としてこうした背景をご理解いただいた上で、保護者の方と協力して対処していただければ幸いです。