学校の先生方へ 血友病の子どもたちを担当される先生方へ

製剤

1.溶解と注射
使用方法

注意:自己注射をされる患者さんは、医師または看護師による教育を受ける必要があります。

1バイアルの上にあるキャップをつなぎ目を折るようにしてはずす。

2注射用水入シリンジのキャップをつなぎ目を折るようにしてはずす。

3バイアルのシリンジ接続口に注射用水入シリンジを回転させながら,止まるまで回して接続する。

4注射用水入シリンジをバイアル側に止まるまで押し下げる。

5注射用水入シリンジの上部にあるゴム栓にプランジャーを押しながら回して接続する。

6注射用水入シリンジのプランジャーを押し下げ,注射用水をバイアル内に入れる。

8注射用水入シリンジを接続したままバイアルから注射用水をシリンジに移行させる。

7軽く振って完全に溶解させる。

11ゆっくり1~2分かけて注射する。

9シリンジを回してバイアルからはずす。

10シリンジの先端に添付の翼付針を回して接続する。

2.投与量のめやす

出血の程度や投与時期によって必要量は異なりますが、応急処置のおおまかな投与量を示します。出血が生じた場合には製剤投与が早ければ早いほど軽くすみ、回復も早くなります。


血友病A 血友病B
体重
20kg
50kg
20kg
50kg
鼻血などの軽い出血 250
500
500
1000
膝や足首の出血
500
1000
750
1500
肘の出血
250
500
500
1000
強い頭部打撲 1000 2000 2000 3000
3.効果の出始めと持続
製剤投与後10分で血中濃度は最高に達し、平均で約14時間(血友病Bでは20時間)以上効果が続きます。学校での応急処置としての製剤投与は1回で十分です。

■血液凝固因子製剤の種類(2種類)

●ヒトの血漿から精製した製剤
(ヒト血漿由来製剤)

●遺伝子工学により生産した製剤
(遺伝子組換え製剤)

保管

製剤は凍結を避けて、可能ならば冷蔵庫・保冷箱に保管してください。やむを得ない場合は涼しい部屋でもまず問題ありませんが、直射日光の当たるような暑い場所だけは避けてください。最近の製剤は室温でも安定していますから、短期間の移動や保管は室温でも大丈夫です。
参考:製剤保管に関する注意(バイオセット)

Q
吐き気や頭痛などを訴えた場合、製剤の副作用も考えられるのでしょうか?
A
昔の血液製剤は純度が低く、注射直後に頭痛や吐き気が起きることもありましたが、現在の薬はこうした症状を起こすことはほとんどありません。むしろ風邪、打撲や食中毒などを疑う方が良いでしょう。
Q
エイズの心配って本当にないのでしょうか?
A
1985年からは製剤が加熱処理されたため、その後はエイズの原因であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した血友病の患者さんは一人もいません。薬害問題が騒がれた後遺症で、一部に「血友病=エイズ」のような誤解が残っていますが、幼稚園、小学校や中学校の新入生に全く心配はありません。こうした誤解を解き、正しい知識を教えることは確かに大切ですが、子どもがいじめや疎外にあうことのないように慎重な配慮が必要です。ただ、他の感染症の問題もありますので、エイズに限らず、常識的知識として他人の血液には直接触れないような衛生指導は必要でしょうし、最近、性病が少しずつ広がっていることを考えると、性病防止策としての思春期におけるエイズ教育も現代社会では不可欠なのではないでしょうか。

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