学校の先生方へ 血友病の子どもたちを担当される先生方へ

血友病とは

ちょっと時間がかかるんだ
出血したときは血が止まるまで少し長めに押さえておきましょう


Q
学校内で絶対に気をつけなければならないことはありますか?
A
絶対というのは特にありません。ただ危険性から考えて、頭部打撲による頭蓋内出血には気をつけましょう(参照:学校の先生方へ 出血症状と応急処置 目に見えない出血(2))。転倒、転落や激突後にぼんやりしているとか、頭痛や吐き気を訴えたら要注意です。保護者やかかりつけの医師に相談してください。もっとも、これは健常な子どもにおいても同じ危険性があるので、特に血友病に限ったことではないでしょう。
血友病とは

血友病とは出血したときに血を固めるために必要な「凝固因子」が不足している病気です。そのためにいったん出血すると血が止まりにくくなってしまい、放置すると長時間、出血が続くことになります。もちろん不足している凝固因子を補充(凝固因子製剤-以下、製剤と記す-を注射)すれば出血は普通に止まります。

■凝固因子の不足

血漿成分の中にある凝固因子は13番まで(12種類)あります。
その中で第8番目の因子が不足しているタイプを血友病A、第9番目が不足しているタイプを血友病Bといいます。

■止血のしくみ

1. 血管が破れる
2. 血管が収縮する
3. 血小板がすぐに壁にくっつく


4. 血小板同士がくっついて固まる


5. 血漿の中にある凝固因子が働いてフィブリンができ、
血栓となって血が完全に止まる



血友病の出血の程度

血友病は「血が止まるのに時間がかかる病気」で、出血しやすい病気ではありません。いったん出血してしまうと健常者より止血に時間がかかりますが、出血する危険性は健常者とそれほど変わりません。健常者が学校で出血することが少ないように、血友病の子どももすぐに出血するわけではありません。したがって、出血していない限り普通どおりの生活をさせてください。

血友病の中等症や軽症では、普段の生活で出血することはほとんどありません。患者さんの中には病気を知らずに過ごしており、事故や手術で初めてわかった方もいます。実際問題として学校生活などで気をつけなければならないのは主に重症型の子どもです。
ただ小学校高学年から中学期や高校の始め頃、つまり体重とともに運動量が増える成長期は出血も著しく増えることがあるので注意が必要です。

■血友病の重症度

重症度 凝固因子(対正常) 出血の程度 治療と予防
重 症 1%以下 月に数回
関節出血が多い
1回の出血に対して数日の製剤投与が必要である。月平均10回くらいの補充投与を行っている子どもが多い。しかし、ほとんど出血しない子どももいるなど、一様ではない。出血回数の多い子どもには予防投与によって出血を減らす工夫もする。
中等症 1~5% 数ヵ月に1回 ただし、関節などに繰り返し出血する場合には多くなる。
軽 症 5%以上 ほとんどなし ただし、抜歯、大ケガなどの時には補充投与が必要。
親の心配

血友病の親の中には、自分の親戚や近所に血友病について話していない方がおられます。血友病患者であることを知られたくないと考えるのも当然と思います。そのため、学校の先生には病気のことを十分に理解していてほしいが、クラスの生徒には話してほしくないと思う家族も多くいます。生徒からの不必要な反応によって正常な交友関係を維持できない、特別扱いされたくない、生徒から家族に病名が伝わり、近所に病気が知れわたってしまわないかなど様々な不安があります。プライバシーの保護には十分注意してほしいと願います。しかし、乱暴な行為でケガをさせないようにクラスの生徒に注意しておきたいと考えられる先生もおられるでしょう。いずれにしても病名を告げることについては、学校と家庭がよく相談して対処していく必要があります。

インヒビターについて

血友病ではまれに、インヒビターという阻害物質が発生することがあります。何を阻害するかといえば、投与する製剤の凝固因子の働きを阻害して効かなくしてしまいます。インヒビターの値が高くなると患者は出血がひどくなり、治療も難しくなり、特殊な治療法を必要とする場合が多くなってきます。そのためインヒビターが高い患者は運動制限が必要になってくることもありますので、親と主治医がよく相談して対処方法や応急手当ての方法を親から先生に伝えてください。


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