
人間には23組46本(半数は父親由来で残りの半数が母親由来)の染色体があり、この染色体の上に遺伝子が乗っています。23組の染色体のうち22組は常染色体、1組が性染色体と呼ばれ、性染色体の組み合わせがXXの時には女性、XYの時には男性となるのはご存知の通りです(図3)。
図3.人間の染色体(遺伝子の運び屋)

つまり、父親からX染色体を受け継げば女児に、Y染色体を受け継げば男児が生まれるわけです(図4)。
図4.性の決定
第VIII因子と第IX因子を作る遺伝子は両方ともX染色体の上に乗っていますので、お母さんの2つあるX染色体のうちどちらかの染色体上の第VIII(IX)因子遺伝子に異常があって、それがお子さんに伝わると男児では血友病になります。 一方、女児では母親由来のX染色体が異常であってもお父さんから受け継いだもうひとつのX染色体が正常であれば(つまり、お父さんが血友病でなければ)正常なほうのX染色体上の遺伝子が必要なだけの第VIII(IX)因子を作ってくれますので血友病にはなりません(このようにX染色体のひとつだけに異常があるけれども病気でない人を保因者といいます)。図5に今お話したことをまとめてみました。
図5.血友病の遺伝形式
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血友病の遺伝の説明にあたって、最後に特に強調しておきたいことがあります。血友病は遺伝子の異常による病気ですが、患者さんの約4割は遺伝子の突然変異によるもので、親から異常を受け継いだものではなく、母親の正常な遺伝子が何らかの原因でうまく伝わらずに突然にお子さんに発症したものなのです。