2011年7月号Volume30Number3 目次へ

みんなでサポート-包括医療に関わる職種とその役割- 第6回薬剤師

多くの血友病患者さんにとって、お薬は治療に欠かせないものではないでしょうか。出血の予防あるいは止血のための注射薬、関節症の腫れや痛みをおさえる湿布薬、その他にもいろいろなお薬を使われている患者さんがいらっしゃると思います。薬剤師は、そんな患者さんをお薬の面からサポートする医療スタッフです。

血友病治療に使われるお薬の中で、不足している血液凝固因子を補充する凝固因子製剤は、治療の中心となる注射薬で、とても大切なお薬です。血液が固まるのに必要な凝固因子の中で血友病の患者さんは各々第Ⅷ因子(血友病A)と第Ⅸ因子(血友病B)の働きが弱くなっており、各々の凝固因子を補う必要があります。凝固因子製剤には大きく分けると第Ⅷ因子製剤と第Ⅸ因子製剤の2つがあります。その中にもいくつも種類があり、患者さんの症状にあったお薬を血友病専門医の先生が選びます。また、治療中で、凝固因子製剤の働きを抑えるインヒビター(抗体)ができてしまった場合の止血には、インヒビターを迂回(バイパス)するバイパス製剤が使われます。当院では常時、4種類の第Ⅷ因子製剤と2種類の第Ⅸ因子製剤、2種類のバイパス製剤を取り扱っています。

家庭輸注を始められる患者さんやご家族は、まず医師や看護師に注射の仕方を習われるでしょう。治療の基本となる注射薬ですから、正しく注射できることは、治療の第一歩と言えます。いろいろな針や管があって慣れるのに時間がかかることもあるでしょうが、困った時は、医師や看護師が親身に相談にのってくださると思います。

産業医科大学病院薬剤部 高津江梨先生 1週間に何回と曜日を決めて定期的に注射をする定期補充療法は、出血を予防し関節障害を防ぐ治療法です。出血した時に注射する出血時補充療法、運動会など出血の起きやすい日にあらかじめ注射する予防的補充療法など、家庭輸注の方法もそれぞれのライフスタイルに合わせて行うことで、より効果的な治療が出来ます。

凝固因子製剤を含めお薬とうまくつきあうことは、一生を通じてとても大切なこととなります。血友病のお薬を使いながら、他の病気にかかってお薬をもらうこともあると思います。健康のためにサプリメントを飲んでみようかなと思うこともあるでしょう。血友病のお薬と一緒に使っても大丈夫かな? そんな風に思われたことはありませんか。そんな時は、薬剤師に尋ねてみてください。薬剤師は日常お薬窓口の奥にいて、話しかけにくいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、お薬について気になるちょっとしたことを気軽にご相談されてはいかがでしょうか。

薬剤師にお薬の使い方や効果あるいは副作用など、血友病の以外のお薬でも気になることは何でも尋ねてみることによって、今以上にお薬を安心して使っていただけると思います。

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